今度は
アイスコーヒーを
注文する彼。
「いろいろ伝える事はあるんですけど、前回お会いした時に全く見えなかった未来が見えてきました」
未来???まだ何も私自身は見えていません。
「自分を取り戻して混乱していると思いますが、転職が見えます。転職先がいいところかはわかりませんが、今の職場でひとみさんが得るものはなくなりました。ひとみさんは仕事に対する責任感と自信を今の職場で習得しました。今までずっと苦手としていた、人と協力し合う事を必要とされる職場に移されるでしょう」
「え?誰に?」
「あ、後ろの人たちですよ。ひとみさんの後ろの人たちはかなり強引ですよ。今までだってひとみさんの意志とは関係なく人生が進んだはずです。旦那さんとの
結婚も、離婚も、今の職場に入ったのも、全部突然で、流れに乗ったら今に至ったでしょ?」
確かに、結婚も旦那が強引だったからで、離婚は母子寮が急に当たったからで、今の職場はまだ働く気がなかったのに面接する前から入社がほぼ確定されていた。
「旦那さんとの結婚は運命なんです。前世では仲の悪い兄弟でしたから。お子さんが
お母さんで、旦那さんが兄。結論が出ないままに死んでしまったから今回はきっちり結論を出す為に結婚したんです」
「はぁ?」
笑ってしまった。旦那との
出会いも運命だったとは。しかも別れる為の結婚。私の戸籍のバツは運命だったのか・・・
「でも私の年齢で
子供がいて転職なんて厳しいですよ?」
「厳しいですよね〜。でも後ろの人たちは強引ですから、せざるを得なくてそうなると思います。それと」
「それと??」
母子家庭の窮地。仕事がままならなくなるなんて最低だ。
「幸せな結婚生活がここ十数年必要です」
「
再婚?」
「はい。幸せな結婚生活をしなくてはいけないと言っています。本当に大切にされることで大切にしてあげる事を学ぶ事が現世での仕事です」
「誰とも出会ってませんけど」
「うーん、多分この人ですね。もう決めてるみたいですよ。顔が見えました」
「イケメンですか??」
「あのね、価値観が全く変わりますよ。全てが変わります」
「てことはかっこよくない・・・子供はイケメン好きですけど」
「ふふふ。転職と再婚。前回お会いした時は仕事と子供以外の未来が見えなかったのにね。どっちを手にするかはちょっと迷っているみたいですけど、もう1段
ステージを登る時が近づいています」
「よくわかんないですね。実感は全くありません。でも最近
ハローワークの求人と、再婚が頭にチラついてはいました」
「そう、それがひとみさんを守る人たちの
やり方です」
「僕ね、初めてです。女性で、幸せな結婚がその人のカルマだと見えたのが。いいですね。幸福な家庭を知らないからその生活をする事が仕事なんでしょうね」
「なんだかよくわからないけど、初めてですか。嬉しいですね」
「イケメンとは限りませんよ」
・・・・・
「あと、お子さんの体ですが、ひとみさんは酪農をしていた時代がありました。お子さんが産まれてから健康ばかりを気にして生活してきましたね。それは丈夫な子供しか生きられないその時代に子供を死なせてしまったからです。その後悔の記憶が現世でも残っています。今も弱いところはまだ残っていますが、十分努力しましたよ。大丈夫です」
前世や来世があるのかはわからない。
前回私の過去を見た彼は、私の未来も当てるのだろうか。
未来なんて誰にも見えないのに、もしも「幸福な結婚」を経験できたら長年の夢が現実になる。
イケメンじゃない人との結婚。
「うちの旦那見えましたよね?いい男で有名だったんですよ?」
「カッコいいですよね〜、でも価値観を変えてください」
これからはもうちょっと中身を見る目を養わないと・・・
次回は「視える彼について」です
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